05 インタビュー

限られた条件でも、
味と彩を追求する
職人の技と誇り。

  • 職  種
    調理師
  • 雇用形態
    長期キャスト
  • 入  社
    2012年

和食職人のセカンドキャリアへの挑戦。高齢者施設の食事をもっとおいしくできるはず。

若い頃から料理人の道へと進み、和食の職人として技を磨いてきました。自分にとって料理は人生そのもの。“生涯現役”を貫き、ずっと現場に立っていたかったのですが、6年前に目を患い、一線を退く決断をしました。世間では定年といわれる年齢を過ぎてはいますし、体調も万全ではありませんが、これまで培ってきた経験を活かせば、まだ料理の世界で自分にできることがあるかもしれない。そんな思いから“引退”はせずに、<ヘルスケア><給食委託>という新たな分野に挑戦することにしました。
病院や福祉・介護施設で出される食事はまずい、味気ないというイメージが根強く残る中で、和食の技法や工夫、発想などを上手に取り入れることで、もっとおいしいもの、楽しい時間を提供できるはず。マイナスのイメージを少しずつでも払拭したい。そう願って日々の仕事に取り組んでいます。

いろいろな制限があっても、ちょっとした工夫で料理はぐっとおいしくなります。

高齢者施設での調理で難しいのは、ご入居者さまの健康状態や病歴、持病がある方なら病状や容態に合わせて、食事をつくり分けなければならないことです。さらに栄養価や安全性への配慮から、使える食材や調理法の選択にも制約がかかります。大量につくれるかということやコストのことも考えなければなりません。その中で、おいしさや楽しさを追求し、旬のものを取り入れたり、見た目の彩りを意識したり。ある意味では、単に手の込んだ和食をつくるよりも、料理人の力量やセンスが試されると思います。
 下ごしらえのやり方、食材の切り方・煮方・焼き方ひとつで味も彩りも仕上がりは大きく変わってきます。いろいろな制限がある中で、自分の知識と技術を総動員させて、どんな料理なら毎日おいしく食べていただけるかを追い求めていくところに料理人、調理師としてのやりがいを感じます。

食が元気をつくるから。感謝の言葉を励みに、まだまだ挑戦は続きます。

仕事をしていて一番うれしいのは、「おいしかったよ、ありがとう」という言葉をいただいたとき。それはカウンターの中で包丁を握っていたときと変わりません。もうひとつは、ご入居者さまの食事がミキサー食から刻み食に、また、刻み食から常食に変わったりしたときも本当にうれしいです。それまで体調や病状がすぐれなかった方が、食欲が出てきたり、噛む力や飲み込む力がついてきたり、自分たちがつくる料理を食べて「元気」になってきたということだから。思い切ってこの世界に飛び込んでよかったと思える瞬間です。
今考えているのは、行事食やイベント食で、ご入居者さまの生まれ育った地域の旬の食材を使った料理や、その土地の郷土料理を振る舞うという企画。一人ひとりに合わせるのは大変ですが(笑)、絶対に喜んでもらえるはず。なんとか成功させたいですね。

働く人たちの声